スリランカの地元紙によれば、スリランカのゴーターバヤ・ラージャパクサ大統領は4月23日、近い将来化学肥料の輸入を禁止するという方針を述べ、農業では有機肥料だけを使用し、その増産に注力するように関係機関の関与を求めたという。スリランカはこれまでに、グリホサートの使用を一部に限定しているが、今回の大統領の方針には化学農薬への言及はなく、全面的な有機農業への移行を目指したものではない。
アースデーの4月22日、米国ニューヨーク市議会は、市が所有やリースの遊び場や公園などで、グリホサートなど化学農薬の使用を禁止する条例を全会一致で可決した。市当局による農薬の使用が有色人種の多い地域に偏っていることが分かっていて、黒人団体などが使用禁止条例の制定を求めていた。この条例案を提案し、成立に尽力してきたベン・カロス議員は、「公園は遊ぶところであって、有害な農薬を撒くところではありません」とコメントし、ジョンソン市議会議長は使用地域の偏在について「環境正義の問題」と指摘したという。ブラシオ市長も法案を支持するという。
ダウ・デュポンより分社したコルテバの子会社のパイオニア・ハイブレッドは昨年12月、ゲノム編集技術を使った除草剤耐性・害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシの承認をEUに申請した。この遺伝子組み換えトウモロコシDP915635は、2段階の手順を踏んで除草剤グルホシネート耐性遺伝子とシダ類(Ophioglossum pendulum)由来の殺虫毒素遺伝子を組み込んでいるとしている。テストバイオテックは、得られた形質やリスクの低減という点では何の進歩もないと評している。
米国小売大手のウォルマートは4月13日、販売する生鮮食品について、全量を2025年までに総合的病害虫管理(IPM)を実施する供給業者から調達し、5種類のネオニコチノイド系殺虫剤と有機リン系の殺虫剤クロルピリホスの使用を供給業者が段階的に使用しないよう奨励すると発表した。
グリホサート製剤に含まれる補助剤によってマルハナバチの死亡率が大きく異なり、補助剤の影響を含めた農薬評価が必要だとする研究結果が専門誌(Journal of Applied Ecology)に発表された。ロンドン大学ロイヤルホロウェイの研究グループによるもので、また、現行の毒性試験では除草剤製品の毒性を十分に評価できないため、農薬会社に対し、各農薬の配合成分の全リストを公開するよう求めるとしている。
米国と欧州の研究グループは3月22日、母親が妊娠中に暴露したグリホサートが多いほど、生まれた女児の肛門性器間距離が男性型に近づき、グリホサートが環境ホルモン(内分泌かく乱物質)であることを示唆していると専門誌(Environmental Pollution)に発表した。
米国の農薬使用量が減少し脊椎動物への影響が減少しているにもかかわらず、ネオニコチノイド系農薬などの使用増加で、昆虫や水生無脊椎動物に対して毒性量が大幅に増加したという研究がサイエンス誌に発表された。ドイツのコブレンツ・ランダウ大学の研究グループが4月2日に発表したもので、ミツバチなどの花粉内科医昆虫では、この10年間に2倍に増加し、遺伝子組み換え作物でも従来作物と同じように毒性量が増加しているとしている。研究グループは、農薬の使用量の減少が環境影響を減少させているという主張と矛盾すると指摘している。
農水省がまとめている輸入小麦の残留農薬検査の20年度前期分が公表された。公表されたデータによると、輸入小麦の8割を占める米国産とカナダ産のほとんどからグリホサートが検出されている。豪州産は2018年に45.5%と半数近くで検出されたが、そのほかの年度では20%前後となっている。年間1万トン前後と輸入量が少ないフランス産は着実に検出率が下がってきている。
イミダクロプリドなど従来のネオニコチノイド系殺虫剤が、ミツバチに有害として規制される動きが世界的に広がる一方で、スルホキサフロルなどがミツバチにやさしいとの触れ込みで続々と承認されてきた。これまでのネオニコチノイド系殺虫剤が神経を興奮させる作用だったが、逆に神経伝達を遮断するタイプのネオニコチノイド系殺虫剤が登場している。
メキシコは昨年12月末に大統領令により、2024年までにグリホサートの段階的禁止と遺伝子組み換えトウモロコシの輸入禁止などを明確にした。この決定に至るまでに、トランプ政権下の米国通商代表部(USTR)と米国環境保護庁(EPA)、バイエル、に業界団体のクロップライフが、グリホサート禁止を葬るために圧力をかけていた工作が明らかになったと、ガーディアン(電子版)が報じている。
カナダ・ゲルフ大学の研究グループは2月19日、地面に穴を掘って営巣するスクウォッシュ・ビー(Eucera pruinosa)が、ネオニコチノイド系イミダクロプリドを土壌に散布した作物に曝露した場合、営巣数が85%減少し、集める花粉の量も大幅に減少し、子孫も89%減少したとサイエンティフィック・リポーツに発表した。研究グループは、土壌散布の殺虫剤の制限が正当化される可能性があるとしている。
インド食品安全基準局(FSSAI)は2月8日、輸入食用作物の非遺伝子組み換え証明制度が3月1日より施行されると明らかにしたと地元紙が報じた。混入許容限度は1%だとしている。この証明制度は昨年8月、今年1月より施行と発表されていた。
農水省は3月3日、遺伝子組み換え作物3品目を承認した。第一種使用が遺伝子組み換えナタネと、花色を操作した遺伝子組み換えコチョウランの2品目であり、遺伝子組み換えカラシナの隔離圃場での試験栽培も承認された。初めての承認となる遺伝子組み換えカラシナは、在来カラシナとの交雑が懸念される。
英国のロザムステッド研究所の研究グループは2月26日、ゲノム編集により発がん性のあるアクリルアミドの前駆体であるアスパラギンの含有量を減らした小麦を作り出したと専門誌に発表した。この低アスパラギン小麦は、アスパラギン合成酵素遺伝子をノックアウトさせたもので、外来遺伝子の挿入はないとしている。商業化には5年から10年かかるとしている。この小麦はアスパラギンが野生型小麦に比べ少ないものの、発芽率が低かったとしている。
カナダのトロント大学などの研究グループは2月3日、環境濃度のネオニコ系農薬イミダクロプリドに暴露されたノドアカハチドリエネルギー代謝が、曝露の2時間以内に25%減少した、と専門誌(サイエンティフィック・リポーツ誌電子版)に発表した。研究グループは、イミダクロプリド曝露後の代謝の変化は、ハチドリの生存に重要な影響を及ぼす可能性があるとしている。ハチドリも受粉媒介生物(ポリネーター)の一つである。
オーストラリアのクイーンズランド工科大学(QUT)は2月17日、フザリウム菌が原因のフザリウム萎凋病、別名パナマ病TR4により危機的な状況といわれるキャベンディッシュ種バナナに対して、ゲノム編集技術を使い、TR4耐性バナナを開発したと発表した。遺伝子組み換えではなく、発現していない耐病性遺伝子を発現させたとしている。
フランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)などの研究グループは1月28日、グリホサートの使用による土壌浸食の結果、バナナ農園で使われ、1993年に禁止された土壌中の難分解性の有機塩素系殺虫剤クロルデコンが放出されているという研究結果を専門誌に発表した。
日本有機農業研究会など3団体は9日、12月に届出が受理されたゲノム編集トマトの受理撤回と種苗の無償配布を取りやめさせる措置など求める意見書を厚労省や農水省の提出した。
厚労省の遺伝子組換え食品等調査会は2月10日、ゲノム編集魚類の議論を始めた。10日の調査会は「個別案件ではなく、一般的な議論」としている。公開された資料では、岡本裕之氏(水産技術研究所育種部育種基盤グループ長)による、魚におけるゲノム編集の事例として、ブルーギルやブリ、フグなどが挙げられている。
欧州の環境などの77のNGOは昨年11月5日、EUの禁止農薬の輸出とそれらを使用した食品の輸入禁止を求める公開書簡を、欧州委員会上級副委員長と関連する3委員に送った。欧州委員会は昨年10月、2023年までにEU禁止農薬の輸出禁止の方針を明記した化学物質戦略を採択している。昨年7月には、国連人権理事会の特別報告者バスクト・トゥンジャクさんが、欧米などの富裕国で禁止されている有毒な化学物質を、より貧しい国へ輸出するのを止めなければならないという声明を発表している。危険な農薬輸出は、年間4万トン余りの農薬を輸出している日本の問題でもある。
厚労省は2月1日、遺伝子組み換え微生物を使った遺伝子組み換え添加物2品目を承認した。承認されたのは、オランダのDSMのグルコースオキシダーゼ(製パン及び製菓工程における生地の柔軟性改善)と米国のダニスコのキシラナーゼ(パン生地の品質向上)の2品目。食品安全委員会は12月22日、この2品目について「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする評価書を決定していた。
農薬の国内生産・出荷量の統計データをまとめた『農薬要覧2020』(日本植物防疫協会編)によれば、原体に換算した2019年度のグリホサート系除草剤出荷量は前年に比べ約300トン(約5%)減少した。
エジプト・インディペンデント紙(電子版)によると、エジプト政府は2030年までに農薬使用の半減を計画しているという。キューシール農業・土地再生相は1月30日、化学農薬の消費量を減らして生物農薬に置き換える計画が策定されたと発表した。
食品安全委員会は1月19日、米国シンプロット社の遺伝子組み換えジャガイモ2系統について、遺伝子組換え食品等専門調査会の「ヒトの健康を損なうおそれはない」との評価を受け、意見公募は行わず厚労省への通知を決めた。近く厚労省が承認すると思われる。同時にこの遺伝子組み換えジャガイモは飼料としても問題なしと評価し、農水省へ通知を決めた。これまでにシンプロット社の遺伝子組み換えジャガイモは、2系統が食品として承認されている。
コロンビアのパスト高等裁判所は1月13日、政府が計画していたグリホサートの空中散布の再開計画の一時停止を命じた。コカの駆除に力を入れていたコロンビア政府は、トランプ前米国大統領の要求を受けて、昨年12月、21年からのグリホサートの空中散布再開を計画し、環境管理計画(EMP)を策定した。環境管理計画では6つの地域の104の自治体が対象とされていたという。
タンザニアのムケンダ農業相は1月12日、同日以降、同国内での遺伝子組み換え生物(GMO)の試験を中止し、輸入種子の徹底的な検査を命じた、と地元メディアが報じた。タンザニアでは、まだ遺伝子組み換え作物の商業栽培は始まってないが、遺伝子組み換え作物の試験栽培が実施されていた。
厚労省は1月8日付けで、ニュージーランド産ハチミツから一律基準値を超えるグリホサート0.08ppmを検出し全量廃棄・積戻しを指示と公表した。ニュージーランド産ハチミツからの一律基準値を超えるグリホサートの検出は昨年11月に続くもので、今年度2度目となる。ニュージーランドのハチミツの残留基準値は0.1ppmで、同国内であれば問題なしとされるレベルである。
ブラジルのカンピーナス大学の研究グループは12月17日、ブラジル南東部のグリホサートを使用する農業地域の蜂蜜を分析し、約4割からグリホサートとその代謝物質AMPAを検出したと発表した。
英国の環境・食料・農村地域省(DEFRA)は1月8日、アブラムシが媒介するウイルス性テンサイ黄化病の防除に、ネオニコチノイド系農薬チアメトキサム(シンジェンタのクルーザーSB)の緊急使用を承認した。承認にあたり、てん菜の種子処理に限定し、かつ2021年のみの「厳しい条件付き」で承認したとしている。英国ではテンサイ黄化病により大幅な減収が見込まれているという。全英農業者連盟(NFU)とブリティッシュ・シュガーが緊急使用を認めるよう申請していた。フランスは昨年、てん菜のウイルス性テンサイ黄化病防除に21年から3年間に限定して使用を認める法改正を行っている。
メキシコ政府は12月31日、遺伝子組み換えトウモロコシの栽培許可を取り消すとともに、2024年までにグリホサートの使用と遺伝子組み換えトウモロコシの輸入を段階的に禁止する大統領令を発出し官報に掲載した。禁止に反対する農業・農村開発省の抵抗で、昨年9月には禁止を進めていたトレド環境相が「健康上の理由」で辞任していた。この大統領令は、翌日の21年1月1日より施行された。
昨年10月議会が可決した、ペルーにおける遺伝子組み換え作物栽培禁止を、さらに15年間の継続する法案は、大統領が1月5日に署名し成立した。
今年5月、コロナ禍で生活が厳しい人たちに炊き出しや食料支援を行っているの団体に対して、農家がコメや野菜を提供して、その送料を市民のカンパで賄おうという運動「コメと野菜でつながろう!」が立ち上がりました。この運動は、東京・山野日雇労働組合や移住連に、コメを2.3トン、野菜や肉を23回送ることができたそうです。そして、市民からの送料カンパは70万円に達したとそうです。
米国ニューヨーク州は、州有地におけるグリホサートの使用を21年12月31日から禁止する。同州の州有地のおけるグリホサートを禁止する環境保全法改正案は7月22日に州議会で可決され、クオモ知事の署名を待つだけになっていた。知事の態度が注目されていたが、知事は12月23日になり同法案に署名し、改正案は成立した。
厚労省・新開発食品調査部会遺伝子組換え食品等調査会は12月11日、サナテックシードの高GABAトマトについて、遺伝子組み換え食品ではなく、ゲノム編集食品としての「届出」に該当すると判断した。これを受けてサナテックシードが即日「届出」を行った。厚労省は同日、日本で初となるゲノム編集食品として公表した。これにより、ゲノム編集食品の流通が現実のものになった。
厚労省は昨年10月1日より、ゲノム編集技術を使った遺伝子組み換え食品に該当しないものについて、消費者団体などの反対を押し切り、義務のない届出制度を開始した。この間、1年以上まったく届出のない状態が続いていたが、近く初のゲノム食品の「届出」が行われる模様だ。
アルゼンチン政府は今年10月、世界初の遺伝子組み換え小麦の商業栽培を承認した。主食作物の一つ小麦で、遺伝子組み換え品種の流通が始まろうとしている。農民などの根強い反対の中、コメでも遺伝子組み換え品種の導入に向けた動きが本格化してきた。フィリピン農業省はこのほど、遺伝子組み換えでカロテンを「強化」した遺伝子組み換え(GM)ゴールデンライスの商業栽培に向けた意見公募を始めた。フィリピン稲研究所の担当者は、2023年に市場流通が始まることを期待している、とコメントしたという。
2015年に国際がん研究機関(IARC)がグリホサートについて「おそらく発がん性がある」と評価して以来、ヒトの健康影響が問題となってきた。昨年7月には、産婦人科医の国際組織である国際産婦人科連合・発生環境衛生委員会は、この15年間に明らかになったエビデンスから、予防原則に則り、世界規模でのグリホサートを禁止するべきだとする勧告を発表している。米国では12万件余りの損害賠償請求訴訟も起き、モンサントを買収したバイエルに2千万ドルの賠償を命ずるカリフォルニア州最高裁の判決も出ている。このような中、この半年余りの間に、ヒトのグリホサートの健康に関係する研究発表が相次いでいる。
米国農務省動植物検疫局(APHIS)は11月2日、パイオニア・ハイブレッド申請による、新たな害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシについて、60日間の意見公募を始めた。害虫の体内で必要なタンパク質の発現を抑制するような特定の遺伝子を作り出すことで、この遺伝子組み換えトウモロコシトウモロコシを食べた害虫を駆除しようという、新しいタイプである。標的でない他の生物に対して、この遺伝子組み換えトウモロコシの影響は、明らかになっているわけではない。環境影響が未知数のまま商業栽培を認めることは、新たな環境破壊への懸念が残る。
厚労省は11月6日付けで、台湾産トウガラシ粉や香味料など4品目から放射線照射が行政検査で見つかったと公表した。厚労省は、廃棄、積み戻し等を指示したとしている。輸出業者は、4品目ともFOODKING INTERNATIONAL FLAVORING社で、輸入業者は(株)シーコムだという。
日本のホームセンターやドラッグストアでは、グリホサートが洗剤などと同じように、普通に、そして山積みで販売されている。世界的には危険な除草剤と認識されているグリホサートは本当に、あるいはどのように危険なのか? 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンと日本消費者連盟(日消連)はこのほど、グリホサートに関する疑問に答えるブックレット『グリホサート 身近な除草剤にひそむ危険』を発刊した。
欧州委員会は10月14日、「有害物質のない環境に向けた持続可能な化学物質戦略」を採択した。消費者製品における最も有害な化学物質の使用や禁止や、有機フッ素化合物(PFAS)などの難分解性物質を含む最も有害な化学物質について、その使用が社会にとって不可欠な証明がなされない限り段階的に排除するとしている。
ペルー議会はこのほど、ペルーにおける遺伝子組み換え作物導入に関する一時停止(モラトリアム)をさらに15年の延長について、賛成104、棄権7、反対0という圧倒的多数で承認した。
米国のデルモンテはこのほど、カロテンの発現を抑制することで果肉がピンク色になる遺伝子組み換えパイナップルの販売を始めた。全量をコスタリカで栽培し、米国に輸入されるという。現在は店頭には並ばず、ネットでの販売に限定されている。
北海道消費者協会は10月8日、義務のない届出制となったゲノム編集食品について確認した結果、厚労省などは届出はなく、国内ではまだ流通していないとの認識を示したと発表した。
厚労省は10月19日付けで、BASFのDHA(ドコサヘキサエン酸)産生・イミダゾリノン系除草剤耐性遺伝子組み換えナタネLBFLFKについて、食品安全委員会に健康影響評価を諮問した。また、農水省も飼料としての健康影響評価を諮問した。
コロナウイルス禍に象徴されるように、新たな時代に入ったかのように感じます。一時よりは「緩和」されたかに見える外出自粛が続く中で、すぐに食べられるお手軽な加工食品やカット野菜が売れているといいます。、昨年10月には日本でもゲノム編集食品が解禁され、米国から始まった代替肉のような代替食品も増えているといいます。加工食品は食品ロスを減らすという賛成論もあるが、私たちの食はどこへ行こうとしているのでしょうか。そして、その食を支える日本の農はどこへ向かおうとしているのでしょうか。真っ当な農と食を取り返すには、私たちはどうすればいいのでしょうか。このほど刊行された『農と食の戦後史─敗戦からポスト・コロナまで』(緑風出版)が、この疑問に、あるいはその先への対抗軸を示しています。
巨大なモンサントと闘ったカナダのナタネ農家のパーシー・シュマイザーさんは、パーキンソン病を患い闘病中であったが、この13日にお亡くなりになった。享年89歳。カナダCBCが伝えた。
アルゼンチンは10月7日付けで、バイオセレスの干ばつ耐性・除草剤グルホシネート耐性小麦HB4を承認した。このHB4遺伝子組み換え小麦は、アルゼンチン小麦の最大の輸出先であるブラジルの承認を待って商業栽培を始めるという。バイオセレスのフェデリコ・トルッコCEOは「この技術の成功は、政府が保証するものではなく、どのくらい消費者が受け入れるかにかかっている」とし、消費者の受容が大きなカギだとの認識を示したという。
ニューヨークの大手造園会社オルタナティブ・アースケアは10月6日、グリホサートのリスクを考慮して使用を中止し、エコマイト社のオーガニック除草剤へ転換すると発表した。長年、学校などで安全な農薬を使おうといろいろなオーガニック農薬を試していたという同社は、エコマイトの製品が「安全で合成農薬と同等かそれ以上の効果を発揮する唯一の除草剤」と評価している。
農民連食品分析センターは10月7日、玄米の残留農薬検査結果を公表した。検査したサンプル297検体の約3分の1の107検体から残留農薬を検出。そのほとんどからネオニコチノイド系農薬を検出。新しい広義のネオニコチノイド系農薬のスルホキサフロルも2検体から検出したという。
フランスの環境NGOフューチャー・ジェネレーションズは10月2日、フランス競争・消費・詐欺防止総局(DGCCRF)の2017年度の残留農薬に関するデータを分析した結果、植物性食品の10%からネオニコチノイド系農薬が検出されたと発表した。検査された約4600のサンプルのうち491検体から何らかのネオニコチノイド系農薬を検出したとしている。いくつかからは複数のネオニコチノイド系農薬が検出されたとしている。フランスは18年9月、すべてのネオニコチノイド系農薬を禁止し、EUは同年12月にイミダクロプリドなど3種類のネオニコチノイド系農薬を禁止した。
東邦大学などの研究グループは9月24日、遺伝子組み換え作物が輸入される鹿島港などで除草剤グリホサート耐性スーパー雑草の一種のオオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)が、日本の輸入港に定着したことを明らかにしたと専門誌に発表した。研究グループは、同じヒユ科植物との種間交雑による耐性遺伝子の拡散を懸念している。ヒユ属には雑穀のアマランサスや野菜のヒユナが含まれている。
アルゼンチン農業省の科学技術研究委員会(CONICET)は10月8日、干ばつ耐性遺伝子組み換え小麦HB4が栽培と消費について、世界で初めて承認されたと発表した。栽培開始には、最大の輸出先であるブラジルの承認が必要だとしている。これまで遺伝子組み換え小麦の商業栽培は、世界中のどこでも始まっておらず世界初の承認となる。商業栽培には、最大の輸出先であるブラジルの承認も必要とされ、アルゼンチンの専門家は環境や健康への懸念から消費者が受け入れないことを指摘している。実際の商業栽培開始のハードルは高いとみている。
フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月9日、新たな農業用のグリホサート使用規制を発表した。今回の規制強化は全面的な禁止ではなく、代替品ない場合を除き使用が制限され、使用量も規制される。ブドウ園と果樹園では、急傾斜地などの機械的除草が不可能な場合を除き、列間の使用が禁止されるという。
キューバといえば有機農業というイメージが強いが、そのキューバが遺伝子組み換え作物栽培に乗り出している。キューバの遺伝子工学・バイオテクノロジーセンター(CIGB)は10月5日、キューバが独自に開発した遺伝子組み換えトウモロコシのパイロット栽培の結果、高収量だったと発表した。キューバは年間100万トンほどの飼料用トウモロコシを輸入しており、遺伝子組み換えトウモロコシ栽培で輸入量を減らそうとしているという。
米国メリーランド州ボルチモア市の市議会は5日、ネオニコチノイド系農薬と除草剤グリホサート、有機リン系殺虫剤クロルピリホスについて、ボルチモア市内での使用禁止を含む法案を可決した。市長の署名で成立し22年7月より施行される。米国では、地方自治体レベルでのネオニコチノイド系農薬やグリホサート系除草剤の使用規制が続いている。連邦レベルでも、民主党議員によるネオニコチノイド系農薬やグリホサート禁止法案が議会に提出されている。
殺虫性Bt毒素を作り出すようにして害虫抵抗性を持たせた遺伝子組み換え作物も、害虫が抵抗性を獲得し効かなくなってきているという。米国環境保護庁(EPA)はこのほど、既存のほとんど全てのBt遺伝子組み換えのトウモロコシとワタの段階的登録取消を提案し意見公募を始めた。この提案は、Bt毒素を使った害虫抵抗性遺伝子組み換え作物の失敗を認めたといえるだろう。
ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は9月15日、9月22日に発効が迫っている除草剤パラコート禁止を維持したという。ブラジルでは、2017年にパラコートの禁止決定後、農薬ロビーや生産者による激しいキャンペーンが展開されたが、ブラジル国家衛生監督庁理事会は3対2の僅差で延期を認めず、当初の決定を維持した。これにより、パラコートは一週間後の9月22日から禁止されることになったという。農薬企業の甘言で、多くの農民がパラコートを購入しているという。
フランス国立農業食品環境研究所(INRAE)などの研究グループはこのほど、スペインとフランスで雑草として定着している、トウモロコシの原種と考えられているテオシントに除草剤耐性遺伝子を確認したと米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。
2017年、インド中部のマハーラーシュトラ州ヤバトマルで綿花農園で使用した殺虫剤が原因で800人以上が農薬中毒となり20人以上が死亡したと、スイスのNGOのパブリック・アイ(Public Eye)が発表した。パブリック・アイは、原因はシンジェンタの製造した殺虫剤ジアフェンチウロン剤(商品名Polo)だとしていた。
カナダ東部のノバスコシア州環境省は9月25日、州内の1500ヘクタール以上の山林伐採地で計画されていた今秋のグリホサート散布はもう実施しないと座り込みの団体に連絡した。同州ハンツ郡での空中散布の中止を求めて、2か所の皆伐地で座り込んでいたノバスコシア・アドボケートが、州環境省から連絡があったと明らかにした。
ドイツの独立検査機関のテストバイオテックは9月17日、ドイツ政府の研究機関が関与した牛のゲノム編集実験について、「怪しげな実験」であり、動物に苦痛を与え動物福祉に反すると非難した。牛に対するゲノム編集の失敗が続いている。
ヨーロッパの環境や有機農業関連の88団体は9月17日、欧州委員会のステラ・キリアキデス保健衛生・食品安全担当委員に対して、ゲノム編集に代表される「新しい遺伝子組み換え」規制を緩めることがないように求める公開書簡を送った。
グリーンピースなどは9月7日、サイバスがゲノム編集で育種したというスルホニルウレア系の除草剤に耐性のあるナタネ(SUナタネ)について、その遺伝子変異を確認したと発表した。このSUナタネについてサイバスの関係者は、化学物質による突然変異であってゲノム編集ではないと言い出しているという。9月15日、背景情報とともに経緯がグリーンピースのサイトに掲載された。
EUは2007年に除草剤パラコートを使用禁止にし、国際農薬行動ネットワーク(PAN:Pesticide Action Network)もパラコートを危険農薬として禁止を求めている。パラコートのような自国で禁止された農薬を生産し、使用禁止となっていない国へ輸出することは「ダブルスタンダード」だと非難されているが、ほとんどの国は規制に消極的だという。
9月21日は、国際単一樹種植林反対の日(International Day of Struggle Against Monoculture Tree Plantations)だった。グローバル・ジャスティス・エコロジー・プロジェクトは、目下の焦点は米国農務省が規制を外そうとしている、耐病性の遺伝子組み換えアメリカグリの木だという。ストップ・遺伝子組み換え樹木キャンペーンは、この遺伝子組み換えアメリカグリの木を「トロイの木馬」であり、規制撤廃でユーカリなどの紙パルプ用の遺伝子組み換え樹木の解禁につながると警告している。この遺伝子組み換えアメリカグリの規制撤廃反対の署名運動が立ち上がっている。
22年12月で登録期限が切れるグリホサートに関し、EUでは見直し作業が続いている。バイエルは6月8日、新たな研究を含む登録更新に向けた申請文書を欧州委員会に設置されたグリホサート評価グループ(AGG:Assessment Group on Glyphosate)に提出した。バイエルなどで構成する欧州グリホサート更新グループ(GRG:Glyphosate Renewal Group)はこのほど、これらの提出した文書を、2012年に提出した関係文書とともに公開した。提出文書の公開に当たってバイエルは、個人情報などは非公開だとしている。
ドイツの自然・生物多様性保護連盟(NABU)などはこのほど、ミツバチなどの昆虫が激減したのは携帯電話やWi-Fiの電磁場がその一因の可能性があるとする研究結果を発表した。ネオニコチノイド系農薬や生息地の減少に加えて、電磁波への曝露の増加は「おそらく昆虫の世界に悪影響を与えている」という。
米国・イリノイ大学などの研究グループは8月10日、ネオニコチノイド系農薬の使用量の増加が、米国の草地における鳥類の個体数減少の要因であり、鳥類の多様性を低下させている可能性があるとする研究結果を専門誌(Nature Sustainability)に発表した。米国では、ネオニコチノイド系農薬は、主に種子処理剤として使用され、指数関数的に使用量が増加しているという。鳥類の個体数に対するネオニコチノイド系農薬の悪影響が、米国中西部、カリフォルニア州南部、北部大草原に集中しているという。
英国政府のジョージ・ユースティス環境・食料・農村地域省大臣はこのほど、英国のテンサイ農家が、アブラムシが媒介するテンサイ黄化ウイルスによって被害を受けていることに対し、禁止されているネオニコチノイド系農薬を解禁する可能性があると語ったという。EUは2013年、3種類のネオニコチノイド系農薬を一時禁止し、2018年には屋外使用について全面的に禁止した。EU離脱が決まったとはいえEU加盟国の英国も屋外使用禁止の規制下にある。
南米のコロンビア政府は過去、コカインを資金源としていた麻薬組織と反政府左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)に対して、資金源遮断を意図して除草剤グリホサートの空中散布=「枯葉作戦」で原料のコカを撲滅しようとしてきた。2015年になり、当時のフアン・マヌエル・サントス大統領は空中散布を停止した。しかし、現在のイヴァン・ドゥケ大統領は、トランプ米国大統領の要求を受けて、空中散布再開に向けて動いているという。
カナダ・ノバスコシア州バーリントンの住民は、林業開発企業の大規模なグリホサートの空中散布計画を散布予定地の占拠で阻止した。住民の阻止行動に会社側は2日、バーリントンの散布予定地46ヘクタールの散布中止を決めたという。同州環境局は、州全体で42か所、1500ヘクタールの空中散布を許可していたという。
農民連食品分析センターは9月8日、市販のリンゴの残留農薬分析結果を公開した。分析したリンゴは2017年産の4検体で、産地は長野県が3検体、山形県が1検体。延べ12種類の残留農薬が検出され、そのうち4種類がネオニコチノイド系だったという。中でもアセタミプリドはどのリンゴからも検出されたという。
DAIZ(株)は8月31日、同社の発芽大豆を使った代替肉「植物肉ミラクルミート」がフレッシュネスバーガーに採用されたと発表。「ザ・グッドバーガー」の商品名で、全国のフレッシュネスバーガーで販売されるという。植物肉の原料大豆は遺伝子組み換えではないとしている。同じように代替肉を使った米国のインポッシブル・バーガーは、代替肉汁に遺伝子組み換え由来の原料を使っていることが問題となっている。米国食品医薬品局(FDA)の承認に対して取り消しを求める訴訟も起きている。フレッシュネスバーガーはこの問題には触れていない。
米国農務省は7月21日付けで、韓国のツールジェンが開発したゲノム編集による高オレイン酸大豆について、規制対象の遺伝子組み換え作物に該当しないと確認した。これにより、ツールジェンのゲノム編集高オレイン酸大豆は、米国や日本ではNON-GM大豆として流通が可能になる。ツールジェンは今年5月、ゲノム編集によるペチュニアについても規制非該当の確認を受けている。
米国黒人農民協会は8月26日、バイエルを相手取ってラウンドアップの販売停止か、より明確な危険性の表示を求めて連邦地裁に提訴した。協会は、モンサントが安全だとしていたために、除草剤を使用した黒人の農民ががんを発症したとしている。また、モンサントがライバルの種子企業を買収したため、黒人農家はラウンドアップ耐性作物の使用を余儀なくされたとしているという。米国黒人農民協会は42州の約11万人の黒人農家を代表しているという。
感染症を媒介する蚊の防除にはピレスロイド系などの殺虫剤が使われてきた。こうした殺虫剤に対する抵抗性が蔓延し、有効でなくなってきていることから、WHOは2017年、室内散布用として新たにネオニコチノイド系のイミダクロプリドを選定した。しかし、農業で使用されていることから、ネオニコチノイド系に抵抗性を持つ個体群が出現している。WHOも有効性がいつまで続くか懸念を持っているという。研究者は、殺虫剤に対する抵抗性についての事前の確認が必要だという。
厚労省は8月28日付けで、遺伝子組み換え微生物を使った香料バレンセンとエキソマルトテトラオヒドロラーゼを承認した。バレンセンは日本では初めての遺伝子組み換え香料となる。今回の承認で、安全だとして承認された遺伝子組み換え添加物は47品目となる。昨年より遺伝子組み換え添加物の申請が急増し、8月28日現在、15品目が食品安全委員会の審査、あるいは厚労省の承認待ちとなっている。今年に入っての承認は合計3品目。
米国の環境、農業、人権など66団体(会員数750万人)は8月26日、米国のホームセンター大手のホームデポとロウズに対して、店舗と通販でのグリホサートの販売を全面的に中止するよう求める要請書を送った。要請書はグリホサートともに、2,4-Dやジカンバなどの有害農薬の段階的販売中止と代替有機認証製品などの販売拡大の努力も求めている。ホームデポ、ロウズはこれまでに、ネオニコ製品の販売を中止しているが、米国のコストコは昨年、グリホサートの取り扱いも中止している。
サナテックシードは8月17日、同社のゲノム編集によって作出した高GABAトマトは米国農務省が規制対象の遺伝子組み換え作物に該当しないことを確認したと発表した。このゲノム編集高GABAトマトは、江面浩・筑波大学教授らのグループが開発したもので、サナテックシードが実用化に向けて開発を続けていたもの。米国農務省は、企業などからの非規制該当確認の問い合わせについて、依頼書と確認書をウェブサイトで公開している。
日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは8月25日、富山県産の大豆と大豆加工品からグリホサートが検出されたとして、全国農業協同組合連合会富山県本部(JA全農とやま)に対してグリホサート使用中止の指導などを求める公開質問状を提出した。
インド食品安全基準局(FSSAI)は8月21日、主要な輸入食用作物24品目について、来年1月から輸出国の国家機関が発行した「非遺伝子組み換え作物」証明書を義務化すると発表した。実施は2021年1月1日から。対象となる作物には米、小麦、トウモロコシ、大豆、ナタネ、トマト、ジャガイモなどが含まれている。インドでは、環境団体が輸入食品に遺伝子組み換え品が多く含まれていると訴えていたという。
ニュージーランド第一次産業省のNZ産ハチミツの約2割からグリホサートが検出されたとの報告書は大きな反響を呼んでいるが、日本産ハチミツの残留農薬に関する検査結果はほとんど明らかになっていないのが現状だ。そうした中で、農民連食品分析センターは8月21日、検査依頼品のハチミツ1検体からグリホサートの痕跡(定量限界の0.01ppm以下)を検出したと発表した。
オーストラリア・サザンクロス大学の研究グループはこのほど、ネオニコチノイド系殺虫剤の一つイミダクロプリドがエビ(ブラックタイガー)の摂食行動に影響を与え、栄養不足や肉質の低下につながることが明らかになったと発表した。実験室レベルではあるものの、エビの神経系は昆虫と類似性があると指摘し、「適切に管理されていなければ、これらの農薬は養殖および捕獲エビ漁業の生産性と持続可能性に影響を及ぼす可能性があります」としている。ネオニコチノイド系農薬とミツバチなど受粉を媒介する生物(ポリネーター)との関係に関心が集まっているが、その影響は陸上にとどまっているわけではない。
米国環境保護庁(EPA)が承認した遺伝子組み換え蚊の放出について、地元のフロリダ・キーズ蚊管理区(FKMCD)は8月18日、地域住民の2千通の反対意見や住民投票の実施を求める声を拒絶し、21年からフロリダ州モンロー郡で合計7億5千万匹の遺伝子組み換え蚊の放出を認めた。この放出に反対してきた環境団体は、コロナウイルス禍と気候危機に直面しているときに、無駄な出費とし、米国環境保護庁がさらなるリスク分析を拒み、さらなるリスク分析不能と指摘して、放出承認を非難する声明を出した。
コロナウイルス禍で食料システムが混乱しつつある。この3月、欧米では農業労働者の移動が制限された結果、収穫や作付けに問題が出ていると報じられた。世界食糧計画(WFP)は、現在1億3千万人が飢餓で苦しんでいるが、コロナウイルス禍により20年末までに2億5千万人以上の人々が飢餓に苦しむことになるという新たな報告書を発表している。そんな中、フィンランド・アールト大学などの研究グループは4月17日、地産地消が可能な半径100キロの食料自給圏(foodshed)で主食となる食料を入手できるのは、世界の11%から28%に限られるという、悲観的な研究結果を発表した。アールト大学のリリースのタイトルは、『「ローカルフード」に頼ることは、世界のほとんどの人にとって遠い夢である』という暗いものだった。
中国科学院の康楽(Le Kang)教授らの研究グループは8月12日、大発生して作物や植物を食いつくすバッタの大集団は集合フェロモンが関係している可能性があるという研究結果をNatureに発表した。トノサマバッタ(Locusta migratoria)を使った研究で、わずか4匹でも4-ビニルアニソール(4VA)という集合フェロモンが連鎖的に放出され、4VAが周囲のトノサマバッタを引き寄せ、群れを作るという。野外実験でもトノサマバッタを誘引したという。現在、サバクトビバッタの防除には有害な化学農薬(殺虫剤)の使用以外の手段がない中で、この集合フェロモンは、殺虫剤を使用しない新たな防除方法の考案につながる可能性があるという。
ネオニコチノイド系、有機リン系の殺虫剤、除草剤パラコートの禁止を含む、子どもや農業労働や、消費者の側に立った包括的な農薬規制強化法案が米国議会に提出された。殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)改正案は、「米国の子どもたちを有害な農薬から保護する法律(Protect America's Children from Toxic Pesticide Act of 2020)」と名付けられ、安全サイドに立った規制プロセスの強化、農薬を使用する労働者の保護など、バイエルなどの農薬企業が真っ向から反対する内容となっている。この改正案は、EUで進む農薬行政の透明化とも相応している。そして、この改正案が成立すれば、これまでの農薬企業の側に立ってきた米国の農薬行政が、子どもや消費者、農業労働者の側に立ったものに根本的に変わらざるを得ない。こうした動きが、日本の農薬行政にも影響を与えることを期待したい。
ニューヨーク州議会は7月22日、州有地におけるグリホサートの使用を禁止する環境保全法改正案を可決した。クオモ州知事が署名して成立すれば、禁止は2021年12月31日から施行されるという。ニューヨーク州は2019年、ニューヨーク市で約2トン、州全体で約190トンのグリホサートが公共スペースで使用されたという。成立に必要なクオモ州知事の署名は、8月7日現在、まだなされていない模様だ。知事の拒否権で、握りつぶされる可能性もありそうだ。欧米では、公有地におけるグリホサートを条例などで禁止する自治体が増えている。
ネオニコチノイド系農薬の全面禁止に踏み切っていたフランスは、アブラムシによる減収の予測されるテンサイについて、特定のネオニコチノイド系農薬を3年間に限定し認める方針と農務省が明らかにした、とロイターが報じた。種子処理のみで、葉面散布は認めないという。正式に実施された場合、EUに先駆け全面的に禁止したフランスのネオニコチノイド系農薬規制は、一歩後退することになる。
米国の要求を受けて、米国産加工用生鮮ジャガイモの輸入規制が緩和され、生食用の輸入承認に向けての協議が始まっているという。すでに農水省は、米国産のポテトチップ加工用生鮮ジャガイモの通年輸入を認める規制緩和を今年2月に行い、さらに米国の要求を受けて生食用ジャガイモの輸入解禁に向けて協議を始めるという。厚労省もこの6月、ポストハーベスト(収穫後散布農薬)として、発がん性や神経毒性が指摘されている殺菌剤ジフェノコナゾールを、生鮮ジャガイモの防カビ剤として食品添加物に指定した。当面はポテトチップス加工用に限定されるとはいえ、防カビ剤を使ったジャガイモの通年輸入が始まる。さらに現在、食品安全委員会では、米国シンプロット社の2種類の遺伝子組み換えジャガイモの健康影響評価が行われている。
グリホサートのもたらす生殖に対する悪影響に関する研究結果が立て続けに発表された。一つは、豚を使った研究でオスの生殖細胞に悪影響を与えるというものであり、もう一つは妊娠中にグリホサートに暴露したラットから生まれたメスのラットでは着床失敗が増加するというもの。食品安全委員会はグリホサートについて、その影響は「発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった」と結論付けているが、こうした新たな研究結果を盛り込んだ再評価はもちろん、予防原則による規制強化が必要だ。
米国カリフォルニア州控訴裁判所は7月20日、ラウンドアップ損害賠償請求裁判で2018年に一審で勝訴したジョンソンさんの主張を認め、バイエル(モンサント)の控訴を棄却する判決を下した。損害賠償の金額は懲罰的損害賠償を含む2050万ドルに減額された。
ニュージーランド第一次産業省は今年2月、同国産のハチミツの約2割からグリホサートを検出し、一部が同国の残留基準値を超えていたと公表した。報告書は残留グリホサートを検出した銘柄は明らかにしていない。
ブラジルや欧米の研究グループはこのほど、ブラジルからEUへ輸出される大豆の約20%、牛肉17%が違法な森林伐採の結果である可能性があるという研究結果をScience誌に発表した。EUがブラジルから輸入する大豆は主に飼料用だという。ブラジル・アマゾンでは、違法な森林伐採が続き、気候危機に対して大きな影響を与えるとして非難されている。
農民連食品分析センターは7月15日、大量死したニホンミツバチからネオニコチノイド系のクロチアニジンなどの農薬の痕跡を検出したと結果を公開したこれは同センターにミツバチの大量死の相談があったのを受けたもの。同センターでは、「少なくともハチが農薬の暴露を受けていたこと示す結果ではある」として、養蜂家にとって「注意が必要な実態があることがうかがえる結果」だとしている。併せて、これまでに検査したハチミツ11検体の一部から、微量のアセタミプリドなどが検出された残留農薬検査結果を公開した。
欧米を中心にして、世界的なミツバチの大量死が続いている。米国ではここところ、年間40%以上の巣が失われて大きな問題となっている。大量死の対策として、EUやフランスでの使用禁止を含むネオニコチノイド系農薬への規制が進んでいる。そのような中、米国テキサス大学オースチン校の研究グループは2019年、ミツバチなどの腸内細菌叢に固有の細菌の遺伝子操作することにより、ミツバチの遺伝子を間接的に操作し、農薬を分解を目的の一つとする特許を米国特許商標局(USPTO)に出願している。
米国のミツバチ情報パートナーシップ(BIP)は6月22日、昨年4月からの1年間で米国のミツバチの巣の44%が失われたと発表した。これは2012年4月からの1年間の46%に次ぐ過去2番目に高いという。BIPによれば、米国では毎年のように40%前後の巣が失われ、2012年度以降、40%以下となったのは2回しかないという。
近畿大学と筑波大学や国立遺伝学研究所などの研究グループは7月1日、ミツバチなどのニコチン性アセチルコリン受容体が花粉などに残留するより低い濃度のネオニコチノイド系農薬で影響を受ける、と米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。今回の研究は、ネオニコチノイド系農薬について、昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体そのものの応答を調べたもので、世界初の成果だとしている。
環境省は6月26日、中央環境審議会土壌農薬部会の「生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第二次答申)」を受けて、農薬登録にかかる影響評価に、日本ミツバチやマルハナバチなどの野生ハナバチ類を加えることを決め、「本答申を踏まえ、野生ハナバチ類に係るリスク評価を行い、農薬登録基準を設定するため、所要の手続きを進めることとしています」と発表した。
米国連邦控訴裁判所は6月22日、カリフォルニア州によるグリホサートの発がん性警告表示を無効とする判決を下した。この警告表示は、同州独自の制度「プロポジション65」に基づくもので、2015年の国際がん研究機関(IARC)の「おそらく発がん性がある」との評価を受けて、カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA:Office of Environmental Health Hazard Assessment)は2017年6月、同州の発がん性物質リストにグリホサートを登載すると発表していた。その後モンサント(現バイエル)がグリホサートには発がん性がないと主張し、取り消しを求め提訴していた。
メキシコ環境天然資源省(SEMARNAT)は6月25日、2024年までにグリホサートを禁止するために段階的に使用削減に取り組んでいると声明を発表した。声明はまた、削減に当たっては、農民や先住民族が何千年も使ってきた経験があり、大規模栽培でのグリホサートに代わる方法を分析しているとしている。メキシコは18年の政権交代以降、グリホサートなどの農薬の段階的禁止へ動いている。
バイエルは6月24日、米国でのラウンドアップ訴訟に関し最大109億ドルを支払うことで和解合意に達したと発表した。高額の賠償命令を受け上訴中の3件は除かれるものの、最大96億ドルで裁判中と提訴予定の12万5千人に達した原告の75%をカバーするとしている。バイエルはまた、ラウンドアップに関する将来の提訴に対して12億5千万ドルを用意するという。これらの合意は裁判所の承認を必要とするとしている。
米連邦控訴裁判所は6月3日、米国環境保護庁(EPA)による、除草剤ジカンバ耐性遺伝子組み換え作物を対象とした農薬登録について、広範囲にわたる漂流により大きな被害を出していて、リスクを実質的に過小評価していたとして登録無効の判決を下した。この登録無効裁判は、全米国家族農業連合(NFFC)と食品安全センター(CFS)、生物多様性センター、国際農薬行動ネットワーク・北米(PAN NA)の4団体が米国環境保護庁を相手取って起こしていたもので、農民と市民が勝利判決を勝ち取った。裁判には、被告の米国環境保護庁の補助参加人としてモンサントが名を連ねている。
エチオピアの消費者団体やNGOなど11団体は5月28日、アフリカの40団体の賛同署名を添えて、エチオピア政府に対して遺伝子組み換え作物の商業栽培と試験栽培の5年間の一時禁止などを求める要請書を提出した。エチオピアは2018年、害虫抵抗性遺伝子組み換えワタの商業栽培を承認し、水有効利用トウモロコシプロジェクト(WEMA:Water Efficient Maize for Africa)の干ばつ耐性遺伝子組み換えトウモロコシの屋外圃場試験を承認したという。こうした政府の推進姿勢に対してブレーキをかけるように求めた。
欧州委員会は5月20日、2030年までの10年間の新たで意欲的な農薬削減と有機農業拡大を明記した《自然を市民の生活に取り戻そうとする包括的な》生物多様性戦略と《公正で健康的で環境に優しい食料システムを目指す》農業食料戦略「農場から食卓戦略」を採択したと発表した。この2つの戦略は、国際農薬行動ネットワーク・欧州(PAN Europe)が指摘するように、農薬使用量を10年で半減させるという「革命的」なもので、農薬企業や農業団体からは反対があったという。
欧州特許庁拡大審判部は5月14日、「本質的に生物学的プロセスのみによって得られた植物および動物は特許性がないと結論付けました」と、従来育種による動植物に対する特許性を否認する決定を下したとの声明を発表した。昨年4月、欧州特許庁長官は拡大審判部に対して、動植物に対する特許付与について見解をまとめるよう付託していた。
先ごろ妊娠中のグリホサート摂取が子どもの自閉症発症に影響してる可能性があると発表した千葉大学の研究グループは5月8日、グリホサート暴露がパーキンソン病の環境リスク因子である可能性があると専門誌に発表した。
コロナ禍で満足に食事ができない人が増えているというニュースが続いている。一方では、農家にもコロナ禍でキャンセルや売り先がなくなったとも報じられている。そうした行先のなくなった米や野菜を、炊き出しや食料支援の団体に寄付してもらい、その送料を市民のカンパで負担しようという運動「コメと野菜でつながろう!」が立ち上がった。支援先の団体は、当面、東京の「一般社団法人あじいる」と「東京・山谷日雇労働組合」、京都の「きょうと夜まわりの会」の3団体。
千葉大学などの研究グループは5月12日、妊娠中のグリホサート暴露が子どもの自閉症の発症に影響する可能性があると発表した。研究グループは、今後、妊婦を対象としたグリホサート暴露と子ども自閉症発症の追跡調査を提案している。
ネオニコチノイド系農薬の一つチアクロプリドが4月30日、EUで登録が失効した。欧州委員会は今年1月13日、ネオニコチノイド系農薬の一つチアクロプリドの禁止を正式に決定したと発表していた。進展は緩やかではあるが、EUは脱ネオニコに向けて進んでいる。近く、EUは農薬の大幅削減を目標に盛り込んだ生物多様性戦略を公表するという。
日本の大豆自給率は約7%。2017年、国産大豆の生産量が25万3千トンに対して、輸入大豆は約322万トン。輸入先は、遺伝子組み換え大豆生産国の米国、ブラジル、カナダの3か国で99%を占めている。一方、スーパーなどに並ぶ豆腐や納豆、みそなどには「遺伝子組み換えでない」という表示ばかりであり、これらの大豆加工食品の原料の多くは、遺伝子組み換えでない「分別品」であると思われる。しかし、貿易統計や食料需給表などの公的統計に具体的な数値はなく、その実態はよくわからない。そこで、いくつかの公的な公開統計から試算すると、「分別品」は約70万トン(2017年)という数値が得られた。
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タイ国家有害物質委員会は4月30日、グリホサートの使用規制とパラコートとクロルピリホスの禁止について、昨年11月の決定の通り6月1日より実施することを賛成多数で決めた。グリホサートも昨年の決定通りで、禁止されないが5月23日より規制が強化され使用が制限されるという。
グリホサート禁止に向けて動いていたタイとオーストリアは昨年、相次いで禁止を撤回する事態に追い込まれた。一方で、ルクセンブルグとフィジーが今年末に禁止することが明らかになった。
子どもの脳への影響が確認されている有機リン系殺虫剤クロルピリホスについて、米国トップの製造メーカーであるコルテバは2月6日、今後の売り上げの減少が見込まれるとして、2020年末までに中止を決定を発表した。
中国・江蘇省疾病予防管理センターなどの研究グループは4月24日、グリホサート製造に従事する労働者について、グリホサートの尿中濃度と作業環境中のグリホサート量に相関関係があるという研究結果を専門誌に発表した。これまでの研究は、農民や農業労働者、園芸現場、あるいは食品を介して摂取する消費者に限られていたが、この研究は、農業や園芸現場での散布による暴露や食品を介しての暴露に比べ、より直接的にグリホサートに曝される製造工場の労働者がグリホサートを入り多く取り込んでいることが明らかになった。
この数年、遺伝子組み換え添加物の承認件数が増えている。現在、承認済みの遺伝子組み換え添加物は45品目あり、昨年は4品目が、今年に入って1品目が承認されている。また、食品安全委員会に評価を諮問し評価待ちが14品目ある。日欧EPAの締結前後から急増している。
スコットランドのサケ養殖業界が寄生虫駆除にネオニコ系イミダクロプリドの使用を「秘密裡」に計画している。3月17日、英国スコットランドに拠点を置く調査報道のフェレットが報じた。業界は、汚染は新しいろ過システムによって除去されると言い、スコットランド政府は、このシステムを「画期的な可能性がある」と評し、スコットランドで試験的に実施すべきだとしているという。
国立環境研究所はこのほど、化学物質データベースを更新し、2018年度の農薬出荷量データを公開した。グリホサートの出荷量は、2010年から右肩上がりに増加してきているが、2018年は前年から約500トンと急増した。伸び率は前年比8.8%と、2011年以来最も大きな伸び率となった。2010年から出荷量は49%、約2千トン増加している。
国立環境研究所はこのほど、化学物質データベースを更新し、2018年度の農薬出荷量データを公開した。2014年から徐々に使用量が低下してきたネオニコチノイド系農薬は、2014年とほぼ同じにまで出荷量を増やした。この間出荷量が減少してきたフィプロニル系を含めても、浸透性農薬の出荷量は増加した。
日本の農薬使用量は世界一なのか。国連食糧農業機関(FAO)が公開している統計データベースから、世界各国の2017年の耕地単位面積当たりの農薬使用量を算出したところ、日本はヘクタール当たり11.76Kgで台湾、中国、イスラエル、韓国に次いで世界5位に位置していた。イスラエルを除けば4か国とも東アジアであり、東アジアが農薬使用のホットスポットだった。
- グリホサートに環境ホルモン作用 妊娠中の暴露が多いほど生まれた女児に影響
- 輸入小麦 米国・カナダ産のほとんどからグリホサートを検出
- 東アジアは農薬のホットスポット 日本はトップ5
- イタリアのパスタメーカー グリホサート懸念からカナダ産小麦の輸入を削減
- 農薬使用量減少もリスクは増加 ネオニコが大きな要因
- 米国:残留農薬はイチゴがトップ
- 住友化学 米種子から販売まで 直播でクボタと共同研究 始まっている企業による農業「囲い込み」
- 神経伝達を遮断 新しいネオニコ系殺虫剤フルピリミン
- グリホサート製剤の補助剤でマルハナバチの死亡率に大きな差 補助剤の評価が必要
- グリホサート販売中止のダイソー 代替品は酢酸系とグルホシネート